PF(5th)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

PageTop

藤倉君と八千代さん

歳下が勉強を教える。不自然な気はするけれど藤倉様なら仕方ない。並んで座る。大丈夫。それほど意識することもない。「それで、ここなんだけど――」単純な計算ミス。藤倉様らしい。ちゃんと努力してることは知ってる。落ち着いてやればなんてことないのに。「ここはですね」声が小さかったせいか、「ん?」と距離が縮まる。どうしよう。不安になる。心臓の音。耳が熱い。二人きり。二人の時間。二人の距離。「……都様のほうが、良かったんじゃないですか?」小さな意地悪。馬鹿だ。こんな自分が嫌になる。まともに顔が見られない。沈黙。それでも分かる。ちゃんと答えようとしてるのが分かる。いい人。優しい人。「八千代ちゃんのほうが、教えるのうまいと思うよ」正直な答なんだろう。ごめんなさい。心の中で謝って、ふぅ、とひとつ息を吐く。大丈夫。意識しない。勉強を教える。ただそれだけ。それが二人の距離。
スポンサーサイト

PageTop
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。