PF(5th)

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危険を避ける能力

 瞼を強く押すと意識を失う。自分にしか出来ないらしいが、これはなかなか便利だった。親も周りも確実に心配してくれる。嫌なことばかりの高校生活から簡単に逃げられるのだ。
 
 いつもと同じように意識を失い、目覚めていつもと違うことに気付く。病院のベッド。手足が動かない。縛られている訳では無い。単純に動かせない。どうやら筋肉が落ちているらしい。

「二十年、眠っていたのです」
 白髪の医師は淡々と告げる。
 二十年。愕然とする。危険を避ける代償として差し出すには、自分の若さは大きすぎる。
 そんな想いを察したのか、医師は小さく首を振る。

「戦争に行った若者の多くは命を落としました。貴方はある意味、幸運だったのです。人間の本能なのかもしれません。他にも眠ったままの若者がいまして……」
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